音楽をめぐる冒険。 #008 Rock 'N' Roll Star/Oasis

 

言わずとしれた、モンスターバンド。泣く子も黙るギャラガー兄弟のお通りでぃ。

そのふてぶてしさと喧嘩っ早さで世界最強のチンピラに成り上がったリアムと、口の悪さでタブロイドにネタを提供し続けるノエル。兄弟喧嘩でバンド解散してしまうしょうもなさが、「俺達やりたいようにやってるぜ」と言わんばかりで好き。

今更語る必要もないくらいに地位と人気を得てる彼らの音楽に救われる人は数多いのではないだろうか。何を隠そう僕もその一人であるし。

彼らの音楽は徹底的に生を肯定して、どんなクソみたいな環境にいたって朝目覚めて朝日を拝めることが最高に幸せだって教えてくれる。

グランジやパンクが退廃的な歌詞を綴り歌い、自殺なんかしちゃったりしたらくだらないと一蹴して「俺たちは永遠に生きる」と希望を歌う。

こんなことを説得力を持って歌えるのはこのバンド以外にない。

解散しても、Oasisというバンドの価値は全く下がらない。もちろん、再結成したら嬉しいけど。でもしなくたっていいと思う。これだけ素晴らしい音楽が生み出されたってことの方に意味がある。

高校生だった僕が、将来にも日常にも全く希望も見出だせずに腐り続けていたころ、Oasisに出会わなかったら。腐り果てて野垂れ死んだろうな。でも、その苦しさを吹いて飛ばすように解消してくれた。

ファーストアルバムの一曲目、「今夜俺はロックンロールスターだ」とふんぞり返ってリアムが歌う。自分の人生を主人公として生きる。誰にも邪魔させねー。そんな気概を感じさせてくれるこの曲が、一番好きです。